もくじ
応酬話法とは?営業活動で活用すべき3つの理由
顧客のニーズを引き出しやすくなる
応酬話法を活用すると営業担当者に対する顧客の警戒心が和らぎ、信頼関係を築きやすくなるため、隠れたニーズを引き出せるようになります。
例えば、雑談で顧客の好みを把握するとその人にあったニーズの合う商品が明確になり、自然な形で商品やサービスを紹介しやすくなるでしょう。
応酬話法を利用し、顧客のニーズに寄り添うことによって顧客に安心や信頼感を与え、信頼関係をより深める効果があります。
トークをスムーズに進められる
応酬話法では、顧客が答えやすい質問をすることや 、寄り添い信頼感を与えるテクニックがあります。そのため、顧客からうまく回答を聞き出せない、顧客との信頼関係を築けない といったことが少なくなり、顧客との会話がスムーズに進みます。
成約率アップにつながる
応酬話法によって顧客が持つ不安や疑問を取り除き、買わない要素を排除できるため、成約率アップにもつながります。
商品への不安や疑問を解消できなければ商談は成立しません。営業担当者は、応酬話法を要所で用い、顧客の質問や不安に対して的確に回答することで、不安材料を取り除き、購買の前に立ちはだかる障害を取り除きましょう。
応酬話法を使う際の注意点
また、ロールプレイングは応酬話法の練習だけではなく、実際の商談の状況を理解する練習にもなります。
シーン別!営業担当者がマスターしたい9つの応酬話法
質問話法(ヒアリング)
質問話法とは、顧客に質問をして課題や考えを聞き出す手法です。ヒアリングやアイスブレイクといった商談の序盤で使うことで顧客の本音や不安を聞き出し、適した商品は何かを探ります。
営業担当者が知りたい情報を的確に引き出すには、聞き出したいことをズバリ問うのではなく、広い範囲から徐々に絞り込んでいくような質問をすると良いでしょう。
ただし、質問攻めにすると悪い印象を与えてしまうため、質問は最小限にします。質問する際は事前に質問事項を準備した上で、状況に応じてある程度範囲を絞った質問にすると良いでしょう。
聞き流し法(ヒアリング)
聞き流し法とは、顧客の否定的な意見を受け流して別の話題に変える応酬話法です。黙殺法とも呼ばれます。顧客の意見を否定せずに話題を変えることが重要です。
顧客のネガティブな意見に営業担当者が反論すると、商談がうまくいかなくなる恐れがあります。顧客の反論が長引きそうな場合には、聞き流し法を活用して商談の流れをよい方向へ軌道修正しましょう。
ただし、聞き流し法を多用すると、顧客に「こちらの話を聞かない」「一方的である」という印象を持たれる可能性もあるので注意しましょう。
寄り添い法(ヒアリング)
寄り添い法とは、顧客の話に共感して安心と信頼感を与える手法です。顧客に寄り添うことで信頼を得て本音を聞き出しやすくなり、潜在的なニーズや課題を発見できるメリットがあります。商談序盤のヒアリングで活用するとよいでしょう。
寄り添い法では顧客のネガティブな意見にも共感し、一緒に悩む姿勢を見せることが大切です。そのうえで、顧客の悩みを解決できる商品を提案します。
ブーメラン法(商品、サービスの提案)
ブーメラン法とは、顧客のマイナス意見をプラスに変換する手法です。商品やサービスのデメリットを認めつつ、メリットを紹介します。商談の半ばで商品やサービスを提案する際に使用すると効果的です。
例えば「商品の値段が高すぎる」というマイナス意見が出た場合、そのデメリットを一旦認めつつ、課題を解決するために必要な機能が備わっているというメリットを紹介します。メリットを紹介する際は、デメリットを払拭できるほどの魅力を伝えることが大切です。
Yes but法(商品、サービスの提案)
Yes and法(商品、サービスの提案)
Yes and法とは、顧客の意見に同調した上で追加情報を述べる応酬話法です。顧客のネガティブな意見を否定せずに、同意しながら商品やサービスの魅力を伝えます。Yes but法より柔和に意見を伝えられることが特徴です。
ネガティブな意見を否定しないYes and法には、顧客にとって、反発が生じにくくなる、営業担当者の話が聞き入れやすくなるといった効果があります。顧客に反対意見を述べるのが苦手な方は、Yes and法を使うとよいでしょう。
Yes and法を活用して否定的な意見を一旦受け入れることで、顧客の抵抗感を減らし、別の商品やサービスを紹介できます。
否定法(商品、サービスの提案)
否定法とは、顧客の意見を否定して不安や悩みを払拭する応酬話法を指します。自社商品やサービスに対して間違った理解をしている顧客、購入希望だが商品への不安も残っている顧客に否定法を使うと効果的です。
否定法は、クロージングの手前など、ある程度商談が進んだ段階で使います。否定法では強い言い方にならないよう、注意が必要です。「ご安心ください」「心配ありません」といった、顧客が安心できる言葉を添えるとよいでしょう。
例え話法(クロージング)
例え話法とは、他社の導入事例を紹介して、商品やサービスのメリットをより具体的に説明する手法です。実例を挙げることで、商品やサービスを導入した際のイメージが明確になるため、顧客の購買意欲を高められます。商品購入への後押しとなる例え話法は、クロージングで使用すると効果的な応酬話法です。
売上実績や統計データといった具体的な数値を提示することで、顧客はさらに導入に対して前向きになるでしょう。導入事例などのデータを提示する際は、事例として挙げた企業情報の取り扱いに注意しましょう。
資料転換法(クロージング)
資料転換法とは、顧客に資料を見せることで、商品やサービスの情報を視覚的に捉えてもらう応酬話法です。目に見える情報によって口頭説明では不明瞭な部分を補完し、数値データで説得力を高められます。
資料転換法は、口頭では説明しにくい場合、会話が行き詰まった場合などに効果的です。クロージングの際に資料転換法を活用することで、商品やサービスに対する顧客の理解がより深まり、購入へつなげられるでしょう。
応酬話法をマスターするための3つのコツ
FAQを作成する
応酬話法を習得するには、FAQを作成して活用してみましょう。FAQとは、「頻繁に尋ねられる質問」という意味で、顧客から質問された事項をFAQ形式にまとめたものを指します。
今まで顧客からもらった質問とそれに対する回答を書き入れたFAQマニュアルを作成しましょう。特に、ネガティブな質問に対しては、先述の応酬話法を取り入れた回答を作っておくといいでしょう。
トークにFAQマニュアルを取り入れて顧客の疑問点を解消できれば、成約率も上がるでしょう。
ロールプレイングを実践する
応酬話法を習得するには、ロールプレイングでの練習が有効です。ロールプレイングとは、顧客役と営業担当者役に分かれて、実際の商談に近い状態で行うトレーニングです。作成したFAQや実例に沿って、ロールプレイングを実践しましょう。
インプットだけではなく繰り返しアウトプットすることで、応酬話法が自然に身に付くようになります。
第三者からフィードバックを受ける
応酬話法を習得する3つ目の方法は、第三者のフィードバックを受けることです。商談の場へ上司や同僚に同行してもらい、客観的なフィードバックをもらいましょう。フィードバックの際は、スキルレベルを視覚的に確認できる仕組みがあるとよいでしょう。
評価・分析のやり方がわからない、フィードバックにも主観が入ってしまうといった不安がある場合は、外部サービスを利用するのもおすすめです。『shouin for セールス』はAIを活用したコミュニケーション分析ツールで、改善点の洗い出しや分析レポートの作成などができます。
成約率アップに効果的!応酬話法を活用しよう
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