2021.03.03 インサイドセールス

インサイドセールスに必要なツールとは?それぞれの特徴と自社に合う選び方

2020年の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけにリモートワークが増えたことで、訪問営業を非対面にシフトする企業は増えました。そこで注目されるようになったのが、非対面での営業活動をメインとするインサイドセールスの存在です。
しかし、インサイドセールスを取り入れようとしても環境が整っていなければ、部署間での連携がうまくいかず、効果を最大限発揮することが難しくなることも事実です。

この記事では、そのような課題を抱える担当者やマネジメント担当者に向けて、インサイドセールスの活動に役立つツールを一挙にご紹介します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスは、顧客先に訪問はせず電話やメールなどの手段で営業活動を行います。基本的にはマーケティング活動で獲得したリードにアプローチし、見込みが高く商談化しそうなものはアポを取って営業(フィールドセールス)に引き渡し、見込みが低いものは継続的にアプローチすることによって関係性を作っていくという役割を担います。組織によってはアポ獲得から契約までワンストップで担当することもあります。

インサイドセールスの役割や導入メリットについては、下記記事にて詳しく紹介しています。

インサイドセールスにツールが必要な理由

インサイドセールスは、アポ取りに徹するのか、初期の商談まで行うのか、契約まで完結させるのかなど、企業によって果たすべき役割は変わります。そのためマーケティング部や営業部に所属する場合もあれば、インサイドセールス部隊として独立している場合もありますが、いずれにせよ顧客情報や獲得した商談、案件の進捗をスピーディかつ正確に社内共有する必要があります。
それに加えてリモートワーク下においては、株式会社マツリカが営業に携わるビジネスマン233名に向けて行った調査によると、顧客や社内との意思疎通、情報共有や業務の可視化が課題視されているようです。(下記図参照)

【引用:株式会社マツリカ実施「営業活動のリモートワーク調査」より】

マーケティング部門と営業部門の橋渡しともなるインサイドセールスにとっても、顧客や社内とのコミュニケーションや情報共有は業務の要です。
この後ご紹介する各ツールを上手く活用できれば、リモートワークでの営業におけるさまざまな課題を解決できる可能性が高められます。
それぞれの搭載機能を確認し、自社の課題解決に役立つツールを検討してみましょう。

インサイドセールスにおすすめのツール

それでは、インサイドセールスをする上で便利なおすすめツールを6つ厳選しご共有します。

リード(見込み顧客)獲得~ナーチャリングを自動で行える【MA】

MA(マーケティング オートメーション)は、顧客管理やセグメントごとに合わせたアプロ―チなど、本来マーケティング担当者が担う業務を自動で行えるツールです。
サイト訪問履歴や広告のクリック、送付メールの開封率などによって自社サービスへの興味・検討度合いをスコアリングできるため、自社のリード一人ひとりの確度を可視化できるのが特徴です。それぞれに合わせたアプロ―チをすることで、効果的なリード育成に繋げられます。

【メリット】

・リード情報の一元管理とホットリードの可視化ができる
・顧客の優先順位付けができ営業効率アップ
・顧客の関心が明確になり効果的なアプローチができる

【おすすめツール】『SATORI(サトリ)』

SATORIはシンプルで使いやすいUIや匿名リードも含めたリードジェネレーションへの強さで人気のMAツールです。国産ならではの充実したサポート体制も安心です。

SATORIのサービスサイトはこちらから。

顧客情報管理と案件管理をサポートする【CRM】/【SFA】

CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)は顧客情報を集約することで、組織内でのリアルタイムな顧客情報共有ができます。営業担当者、マーケティング担当者、顧客サービスの担当者など部門をまたいだ組織体制の場合や、営業の担当者引継ぎの際にも便利です。

SFA(セールス フォース オートメーション)はより「営業活動」にフォーカスしたツールで、顧客対応・商談履歴の記録、案件ステータスやパイプラインの可視化ができます。受注や見込みなどの売上管理も可能なので、案件の進捗管理と営業活動の数値管理の双方が可能です。

顧客情報の管理や関係構築をサポートするCRMと、営業の活動管理と効率化に特化するSFAですが、顧客情報の管理を行うという点は共通しています。そのため最近ではどちらの役割も搭載したツールが一般的になってきています。

【メリット】

・顧客情報を一元的に集約し、部署を超えて企業の資産として管理できる
・顧客対応・商談履歴を遡ることができ、案件を引き継ぐ際にも適切な対応がしやすい
・パイプラインや見込み数字を簡単に可視化でき、営業活動の管理を効率化できる

【おすすめツール】『Salesforce(セールスフォース)』

世界No.1シェアのSFA/CRM両機能搭載ツールです。MA連携が可能なことや、AIによる売上予測が立てられることもあり、マーケ⇔営業と部署をまたいでの利用もおすすめです。拡張機能が豊富でカスタマイズしやすいのも魅力です。

Salesforceのサービスサイトはこちらから。

電話のクラウド化で通話応対の品質と効率を上げる【CTI】

CTI(コンピューター テレフォニー インテグレーション)は、電話をクラウド化したシステムで、電話の受発信をPC上で行えます。コールセンターで導入されていることが多く、通話内容を録音・テキスト化できるため、マーケティング分析にも役立てられます。

【メリット】

・MAやCRM/SFAなどとのツール連携ができ、手動で番号を打ち込まずにワンクリックで架電が可能
・PCのみで利用でき、社用電話が必要ないためリモートワークも可能
・通話内容の録音やテキスト化の機能を活用すればコミュニケーション分析にも利用可能

【おすすめツール】『BIZTEL(ビズテル)』

4年連続国内シェアNo.1のCTIで、24時間365日電話サポート対応という点も安心して利用できるツールです。モバイル端末の内線化や、クレジットカード情報を安全に扱える(国際セキュリティ基準PCI DSSを保持する)サービスもあり様々な利用場面に対応しています。PBX(交換機)の設置が不要なので、最小限の環境整備で簡単に導入できます。

BIZTELのサービスサイトはこちらから。

電話コミュニケーションをより良くする【オンライン商談ツール】

オンライン商談ツールは、ブラウザ上でのカメラ映像によるFace to Faceのコミュニケーションや資料・画面の共有により非対面での商談ができるツールです。
特徴としては、口頭でルームIDを伝えるだけでブラウザから手軽にルーム入室ができます。URL送付の必要が無くメールアドレスを教えなくても良いことと、わざわざアポ日を確保せずともその場でライトな商談に進められることから、顧客の警戒心や面倒さといった「心理的ハードル」による機会損失も避けられます。架電でのアプローチがメインとなるインサイドセールスとは非常に相性が良いツールです。

オンライン商談ツールの選び方とおすすめツールについては、以下の記事で解説しています。

【メリット】

・電話との相性がよく、音声だけの説明に視覚的な情報をプラスして顧客の理解度を深められる
・ブラウザ上で簡単に利用でき、顧客のデジタルリテラシーを問わない
・架電からシームレスにルーム入室できるため、提案機会を逃さずアポ化できる

【おすすめツール】『RemoMee(リモミー)』

アプリ不要でブラウザ上で誰でも簡単に接続ができ、議事録やカンペ、マーカー機能搭載で商談時のやり取りがスムーズにできます。電話回線利用により音が途切れにくいこと、CTI『BIZTEL』との連携が可能な点も特徴です。

RemoMeeのサービスサイトはこちらから。

BtoBのリード選別とカスタマイズができる【ABM】

ABM(アカウント ベースド マーケティング)は、データ分析により自社にマッチした顧客企業をリストアップし、効率的なアプローチに役立てられます。
既存顧客の共通点や傾向を分析することで顧客インサイトの仮説立てができ、ターゲティングの精度も高められるツールです。

【メリット】

・今までの受注傾向を分析し、成約確率の高そうな企業のリストアップができる
・MAやCRMと連携することで、ABMツールのもつ企業情報を既存リードに付与し顧客データを拡張できる
・客観的なデータを参考にターゲットと向き合えるため、マーティング部門と営業部門の意識統一が図りやすく組織連携を強化できる

【おすすめツール】『FORCAS(フォーカス)』

140万社以上、500以上の業界区分から成約率の高い企業を抽出できます。地域や企業規模以外にも、求人情報や導入しているツールなどセグメントの切り方が多様なところもポイント。CRMやMAと連携でき、マーケティング業務にも取り入れやすいです。

FORCASのサービスサイトはこちらから。

ツール導入のポイント

インサイドセールスに生かせるツールを導入する際には、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか。

自社に合うツールの選び方

自社が持つ課題や組織体制によって、取り入れるべきツールの優先順位は変わってきます。ツールは基本的に定額制でランニングコストがかかるものですので、見合った費用対効果が出せるイメージが湧くかどうかも重要です。
MAを例に出すと、まだあまり顧客情報を持っていない場合には自動化が必要になるほどのデータが蓄積されておらず費用対効果がマイナスになることがあります。反対に顧客情報をある程度持っている場合にはMAの導入によりリード育成スピードが一気に上がることもあります。
このように、自社の状況と各ツールの特性を把握することで、より自社にマッチしたツール導入が出来るでしょう。

導入時にするべきこと

導入時の流れは、下記の通りです。

導入手順

  1. 自社の課題を可視化する
  2. 課題の優先順位をつける
  3. 各ツールの機能と役割を把握する
  4. 最優先の課題を解決するために必要な機能を備えているものをピックアップ
  5. ツール導入に関わる部門で最終調整

ツール導入時の注意点

ツール導入時に確認すべきポイントは、以下の4点です。

【1】予算

導入時の初期費用、月額も含めた予算感と、期待できる費用対効果を算出し、プラスになるか確認しておきます。

【2】担当・責任者の決定

導入後の運用方針を定める人物の選定をします。部門をまたいで利用する場合は各部門で窓口となる担当者も決めておくと良いでしょう。

【3】利用環境と場面の確認

自社での利用方法や環境にそのツールが合っているかを確認します。すでに利用している自社システムとAPIなどでデータ連携ができるかなど既存環境との相性や、実際に利用する担当者の利便性に合わせて選定するのが重要です。

【4】ツールの信頼性

顧客情報を取り扱う性質のツールが多いため、使いやすさだけでなくツールのセキュリティ面や運営会社の信頼性も確認しておくようにしましょう。

まとめ

インサイドセールスや関わる組織全体で成果を上げるためには、いかに他部署とスムーズに連携し、情報を利活用できるかが鍵となります。非対面営業が浸透してきた今だからこそ、ツール活用により営業活動の効率化と成果アップを図ってみてはいかがでしょうか。