テレワークの導入が進むなか、業務を円滑に進めるには対人関係構築力が求められます。対人関係構築力とは、他者との信頼関係やつながりを構築するスキルのことです。今回は、対人関係構築力に必要なスキルや能力を向上させる方法について解説します。
もくじ
対人関係構築力とは
対人関係構築力とは、他者との信頼関係やつながりを構築する能力のことです。一人でできる仕事には限界があり、大きな成果を得るには仕事仲間の協力が欠かせません。近年は、働き方改革によりテレワークを導入する企業が増えています。テレワークを行うと対面でのやり取りが減少するため、業務を円滑に進めるためには対人関係構築力が必要不可欠です。
社員一人ひとりの対人関係構築力が高まれば、働き方が多様化しても職場のコミュニケーションが活性化し円滑に業務が進みます。対人関係構築力は、営業職をはじめ、接客業や教師などあらゆる職業に求められています。
ビジネスにおける対人関係構築力のメリット3つ
テレワークなど働き方が多様化するなか、会社に出勤しない社員が増えています。また、顧客との打ち合わせにおいてもWeb会議を用いる場面が増えました。このように対面でのコミュニケーションが不足しがちな状況において、対人関係構築力が重要視されています。
対人関係構築力のメリットには、次のようなものが挙げられます。
● 取引先や顧客との信頼関係を構築できる
● 取引先や顧客との互助関係が生まれる
それぞれのメリットについて詳しく確認していきましょう。
取引先や顧客との信頼関係を構築できる
個人間での信頼関係が深まれば、相手は心を開いて本音で話してくれるようになります。顧客と信頼関係が構築できていないと、質問をしても本音では話してくれません。企業間だけでなく、個人間での関係性が深まれば、相手は本音を打ち明けやすくなります。
顧客にとって有益な情報を提供できれば、より信頼関係が深まり気軽にやり取りできる関係になれることも多いです。また、顧客自身が情報を有益だと感じれば、契約に繋がる可能性もあります。対人関係構築力を身につければ、双方のより良い成長へと繋げられるでしょう。
取引先や顧客との互助関係が生まれる
対人関係構築力で信頼関係が醸成されると、顧客との間に互助関係が生まれます。取引先や顧客の間で互助関係が生まれるのは「困っているなら助けてあげたい」という気持ちが生まれやすくなるためです。
自社が困った状況にある場合、自社のビジネスに顧客が取り扱うサービスや、これまで蓄積してきた知識やノウハウを快く提供してくれる可能性があります。顧客が個人でも、人脈を活かして支援してくれるかもしれません。対人関係構築力があれば双方の成長に繋げられるメリットがあります。
顧客との対人関係構築に必要な8つの能力
対人関係構築力を高めるには、さまざまなスキルを身につける必要があります。これらのスキルを習得できれば、より円滑な人間関係を構築できるはずです。
対人関係を構築するために必要な能力には、次のようなものが挙げられます。
● 非言語コミュニケーション能力
● EQ(心の知能指数)
● 人脈構築力
● 傾聴力
● 共感力
● 質問力
● 平等性
● 実行力
それぞれの能力を詳しく確認していきましょう。
非言語コミュニケーション能力
対人関係能力に必要なスキルに、非言語コミュニケーション能力があります。非言語コミュニケーション能力とは、表情やしぐさなどから相手の感情を読み取る能力のことです。別名「ノンバーバル・コミュニケーション」とも呼ばれ、ビジネスで重要視されています。
例えば、笑顔で顧客の話を聞くと「初対面でも話しやすい」という印象を与えたり、目線を合わすことで「自分の話を聞いてくれている」という安心感を与えられたりするのです。このような態度は相手にポジティブな印象を与え、顧客と強固な信頼関係を築きたいときに役立ちます。
EQ(心の知能指数)
EQとは、人の感情を察知する能力のことです。「Emotional Intelligence Quotient」の略語で、心の知能指数と呼ばれています。EQが高い人ほど相手の気持ちを敏感に察知しつつ、自分の感情をコントロールしながら人に接するため、良好な人間関係を構築しやすいといわれています。
EQが高い人は、共感力や傾聴力を備えているのも大きな特徴です。共感力が高いと言葉だけでなく態度や仕草から感情を察して理解するため、相手の立場に立って物事を考えられます。
人脈構築力
人脈構築力は、人と人のつながりを広げることです。近年は商品やサービスで溢れており、競合他社との差別化を図るのが難しい時代になりました。利益を上げるには、いかに潜在顧客に対して自社の商品やサービスをアプローチして興味を持ってもらうかが重要になります。
人脈構築力を高めれば潜在顧客との繋がりを強化できるため、新規顧客を獲得できる機会を得られます。また、人脈を広げて強固な関係を築ければ、そこから新たな顧客を獲得できる可能性もあるでしょう。人脈構築力は、顧客基盤を築くうえでも重要なスキルです。
傾聴力
傾聴力は、相手の話に耳を傾けて熱心に聴く能力のことです。ビジネスにおいて傾聴力はコミュニケーションの基本であり、顧客との対人関係構築するうえで欠かせません。また、経済産業省が2006年に発表した「人生100年時代の社会人基礎力」でも傾聴力が選出されています。
傾聴力があれば、相手が伝えたい内容を正しく捉えられたり心情に寄り添えたりできるため、顧客が本音を言いやすい状況を作れるのです。相手から信頼を得られれば、ためらいなく悩みや要望を打ち明けたいと思える強固な関係を築けます。
参考:経済産業省「社会人基礎力」>「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料(PowerPoint形式:175KB)https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html(2023/6/8)
共感力
取引先の担当者や顧客の気持ちに寄り添うことで、信頼関係を深められます。共感力は単に話を聞くだけでなく、相手の立場や思いを考慮しつつ、理解しようとしている姿勢を示すことが重要です。
その姿勢が相手を安心させ、本音で話せる雰囲気を作れます。周囲に関心を持ったり相手の気持ちを想像して傾聴したりすることで共感力を高めることが可能です。
質問力
質問力とは、顧客の状況や課題を理解するような質問ができる力のことです。信頼関係を築けていない顧客の場合、率直に問いかけてもても本音で話してくれないこともあります。このような場面で必要になるのが、質問力です。相手の本音を引き出すには、直球な質問をするのではなく、顧客の状況を仮説して必要な情報を引き出せるのかを考え、それに相応しい質問を投げかけられる力が求められます。
平等性
平等性は、人によって態度を変えないことです。感情や相手によって態度を変えてしまうと、顧客と強固な信頼関係は築けません。顧客と信頼関係を構築するには、自身の感情や相手の立場に左右されることなく、どのような場面でも態度を変えない能力が求められます。平等性を維持するには、どのような相手にでも客観的な態度で接することが大切です。
実行力
実行力とは、約束したことを実行する力です。例えば、打ち合わせ時に伝えた期日や期限を守ると相手の信頼を得られます。社会人として基本的なことですが、実行力が伴わず期限を過ぎてしまう社員も少なくありません。しかし、期限や約束は必ず守るといった姿勢は、顧客との良好な対人関係構築に繋がります。信頼関係が深まれば継続した関係を構築できるでしょう。
顧客との対人関係構築力を向上させる3つの方法
対人関係構築力を備えるには、さまざまなスキルを身につける必要があります。しかし、普段から意識して過ごすことで、対人関係構築力を高められることも多いです。
顧客との対人関係構築力を向上させる方法には、次のようなものが挙げられます。
● 傾聴の姿勢を心がける
● 日頃から他者と積極的にコミュニケーションを取る
● 研修会や勉強会に参加しテクニックを学ぶ
それぞれの方法を詳しく確認していきましょう。
傾聴の姿勢を心がける
普段から傾聴の姿勢を心がけましょう。対人関係構築力を高めるには、相手に寄り添いながら本質的を理解することが求められます。傾聴力を上げるには、適度なタイミングで相槌を打ったり共感しながらコミュニケーションをとったりするのがおすすめです。
また、ビジネスの場面では顧客の話に耳を傾けたあと、自分の言葉で「〇〇ということですね」と簡潔にまとめて繰り返すことにより、相手の話を聞いているという姿勢をより強くアピールできます。相互理解を深められるので、普段から傾聴の姿勢を意識することが大切です。
日頃から他者と積極的にコミュニケーションを取る
対人関係構築力を高めたいなら、日頃から積極的にコミュニケーションを取りましょう。例えば、休憩時間に同僚と一緒にコーヒーを飲んだり自分から挨拶したりするのがおすすめです。
会社の会議に参加するときは、自分から意見を伝えるのも効果があります。積極的に他者と関わりを持つことで、コミュニケーション力を磨けます。結果的に顧客との対人関係構築力の向上に繋がるため、意識してコミュニケーションを取りましょう。
研修会や勉強会に参加しテクニックを学ぶ
対人関係構築力を向上させたいなら、研修会や勉強会に参加してテクニックを学ぶのも有効です。研修会や勉強会に参加すれば、ビジネスにおいて対人関係構築力の重要性も理解できます。
ただし、職種に応じて求められる能力が異なるため、営業職や接客業など特定の社員を対象にした研修を企業が別途開催するのもおすすめです。また、より効率的に対人関係能構築力について学んでもらいたいときは、外部サービスを利用する方法もあります。
顧客との対人関係構築に必要な能力を身につけよう
対人関係構築力は、コミュニケーションを円滑に進めるために必要なスキルです。対人関係構築力を高めたいなら、傾聴の姿勢を心がけたり日頃から他者と積極的にコミュニケーションを取ったりすることが求められます。また、社員に研修会や勉強会に参加してもらい、対人関係を構築するためのテクニックを学んでもらうのもいいでしょう。
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